妊娠中のお母さんと赤ちゃんの歯について
妊娠中のお口の中の変化
どんな風に変化するの?
歯ぐきの炎症が起こりやすくなります。歯ぐきが赤くなったり、ブヨブヨしてきたり、ちょっとしたことで出血すれば要注意。出産すれば元の状態に戻ることもありますし、そのまま歯周病に移行してしまう場合もあります。
虫歯が増える?
初期から中期頃まではつわりの程度にもよりますが、歯ブラシがお口に入れられずにどうしても歯磨きがおろそかになってしまった結果と考えられます。またどんどんお腹も大きくなって日常の動作もゆっくりノロノロしたものになると歯磨きも手を抜きがちになります。
唾液も少なからず変わります。普通のときに比べてネバネバしたり、酸性に傾いていることも多くなり、これも虫歯になりやすい条件です。お母さんの歯からカルシウムが抜け出すことはありません。胃が圧迫されるようになると1回の食事量が多く取りにくくなります。ついつい間食も多くなりがち。食事に比べると簡単に食べられるもの、つまり、糖分の多いものや歯にべったり付着するものになります。こういう食べ物は虫歯を作りやすいです。
歯ぐきにできものが出来やすいの?
妊娠性エプーリスができやすくなります。エプーリスというのは歯ぐきに出来る良質のできものです。誰にでもできるのですが、妊娠中によく発生することがあります。分娩すると小さくなったり、自然になくなりますので心配ありません。
歯の教育ママが妊娠中に注意すること
歯の治療は出来るの?
妊娠16週までは、薬や処置によって胎児に異常が現われる可能性もありますが、中期以降は通常の治療は大丈夫です。麻酔の注射も問題はありません。しかし、産科の先生とも相談の上、その日の体調も考慮しながら進めることが大切です。歯や歯ぐきの手入れは、妊娠中も自分だけでなく歯科医院で専門家(歯科医師や歯科衛生士)にしてもらうことも大切です。
胎児に問題のない治療
- 虫歯を削って何か詰める
- 歯についている歯石などを除去する
上記の治療は、体調さえ良ければいつでもできます。また、レントゲン撮影のときは、ほとんどの歯科医院で防御エプロンを着せてもらえます。胸等に比べると照射時間はかなり短く、1回の撮影はそれほど大きな問題とはなりません。
産科の主治医と相談の上治療すべきこと
- 抜歯
- 歯の神経を取る
上記の治療は、麻酔や処置後薬を飲む必要があるため注意が必要です。また、痛みが強い場合は、痛みを止めることが必要ですので、産科医、歯科医と相談してください。
タバコは吸っちゃだめ?
妊娠中もずっとタバコを吸っていると早産(22週から36週までの間の出産)や低出生体重児(2500g未満)が多くなります。タバコを吸うことにより血管が収縮し、酸素や栄養素の供給が不十分となって胎盤が小さくなります(胎児の発育が悪い)。タバコを吸っていることは妊娠中毒症にかかっているのと大差ないことになります。赤ちゃんの歯も妊娠中から作られます。当然ですが、歯も発育不十分になります。
胎児の歯の成長について
まだ妊娠に気付かない人も多い妊娠初期から胎児の歯は出来始めるので、歯は長い時間をかけて作っていくことになります。胎児は自らの成長発育のために母体からどんどん栄養を奪っていきます。十分な補給がないと母体、胎児ともに栄養不良となってしまいます。 特に妊娠中は、バランスの良い栄養を取るよう心がけて下さい。
胎児の歯の図も併せてご覧ください。
歯の元のできる順番- ○妊娠6週から10週の間
- 乳歯[図NO.1~5]の歯の元は上下20本全部が形成され始めます。 胎児の顎の骨の歯の位置に相当するところに上皮が増殖してきて歯の元が形成されます。
- ○妊娠12~16週
- 第1大臼歯(6歳臼歯)[図NO.6]の元が出来始めます。
- ○妊娠18週頃
- 乳歯[図NO.1~5]の歯の元に硬い組織が作られていきます。(石灰化、カルシウムなどが沈着してくること)まず、歯の先の方から石灰化していき、徐々に歯の根の形成へと進んでいきます。
永久歯[図NO.7~13]の歯の元の形成も同時に進行しています。 - ○出生の頃
- 第1大臼歯(6歳臼歯)[図NO.6]の元にカルシウムが沈着し始めます。
- ○生後6ヵ月頃
- 歯がはえ始めます。歯のはえる順番は、歯の元のできる順番とは多少異なります。



