永久歯が生えてきたら
永久歯の種類
歯の生える順番永久歯には2種類あります。
- ○乳歯と交換する歯(上下10本ずつ)
- ○1番奥の乳歯の後ろに生えてくる歯
- 第1大臼歯(6歳臼歯):6番
第2大臼歯:12番
親知らず:13番
(第1大臼歯が生えてくるのに気づかないことがあります)
第1大臼歯が先か、乳歯の前歯が抜けて永久歯が生えてくるのが先かは、人によって違いますが、大体5~6歳にかけて永久歯が出てきます。
永久歯の成長
永久歯が生える前から顎の骨の中では永久歯がどんどん大きくなっています。第1大臼歯(6番)の歯の元ができるのは、胎生3~4カ月の頃です。やっと出てきても咬める歯の高さになるのに0.5~1年ぐらいかかり、歯の根までしっかり出来上がるのに歯が生えてから2~3年かかります。生えてくる順序は人によって、上・下によって違います。
永久歯が生えてくるメカニズム
乳歯は硬度が弱く、大人が咬む力には耐えられないため頑丈な永久歯へと交換します。乳歯は、永久歯が生えるにあたって顎の骨の中でどの位置に向かうべきか指示する役割を担っています。
乳歯の根の先には永久歯があって出てくる準備をしています(歯の元にカルシウム等がついて硬くなりつつあります)。そして、永久歯が形作られるにしたがってその先の方では骨を溶かす細胞や歯(乳歯)を溶かす細胞が現れてきます。それにより乳歯の根は短くなり自然にポロッと取れてしまい、すぐに永久歯がそこから顔を出すような感じで生えてきます。つまり乳歯が生えていた位置と同じところに永久歯が出てくることになるのです。
永久歯が生えてくる時のトラブル
- 1. 乳歯が抜けない
- 乳歯がグラグラしているけれども抜けないことがあります。待ち切れない永久歯が先に顔を出します。こんなときは歯医者さんで乳歯を抜いてもらいましょう。歯並びが悪くなる原因になります。
- 2. 乳歯と交換する永久歯が生えてこない
- 先天的に永久歯がない場合があります。いつまでも乳歯が抜けないときは歯医者さんでレントゲンを撮ってもらいましょう。
- 3. 永久歯が変な方向から出てきた
- 乳歯がひどい虫歯だったりすると乳歯の根は吸収されません。永久歯は出る場所を邪魔されているので別の位置から顔を出します。逆に早くに乳歯を抜いてしまっていると永久歯はどこに出ていいか分からず、これも変な方向から出てきます。顎の発育が悪くて乳歯よりも大きな永久歯を生えさせるスペースが十分ない時も、後から生えてくる永久歯は変な方向に出てきます。
- 4. 虫歯が生えてきた
- 永久歯(特に奥歯)は少し頭を出してから咬めるようになるまでに1年近くかかります。その間に虫歯になることがあります。その時になってやっと歯が生えていることに気づくため、「虫歯が生えてきた」とびっくりするお母さんもいます。虫歯が生えることはありません。
第1大臼歯について
乳歯のさらに後ろに生える永久歯です。(6番目が第1大臼歯です。)生え変わる訳ではないのです。永久歯の歯並びを決定する役目があります。咬む面も一番大きく、噛み合わせの中心になります。咬む力も永久歯の中で一番大きいです。下の第1大臼歯は咬む面に山が5つ、上の第1大臼歯は山が4つです。上下とも最初はその山の一つがポツンと出てきます。少しずつ全部の山が出てくるのですが、歯茎で覆われている時間も長く、こういう時期が虫歯になりやすいのです。手前の乳歯の噛み合わせの高さに揃うのに0.5~1年かかります。
生えてきた永久歯を虫歯や歯茎の病気から守るために
- 1. しっかり噛んで食事をする
- 生えて間もない歯は表面のエナメル質の結晶構造が十分できていません。歯は生えてからも成長していき、唾液と接触することにより唾液中に含まれるカルシウムやリン等が沈着し、より硬いものになっていきます。根の成長は「噛む」という刺激により進みます。しっかり噛んで食事をしましょう。どっしり太い根っこは歯周病にかかりにくい条件になります。よく噛めば唾液もたくさん分泌されます。
- 2. フッ素を利用
- フッ素は口の中の細菌が作り出す酸に対して抵抗力のあるエナメル質表面の構造に変換させます。 生えたての歯は歯の形はしていますが、まだその硬さは十分ではありません。ものを噛んだり、唾液にさらされることでより硬いものになっていきます。(唾液中にもわずかですがフッ素も含まれています)この時期にフッ素の溶液を歯の表面に塗ったり、その液でうがいするとより酸に強い歯を作ることができます。フッ素を使用するしないに拘わらず、歯の磨き方・歯並びの状態・顎の成長発育等歯科医院で定期的に診てもらうことが大切です。フッ素の塗布は、原則として保険が適用されません。
歯科医院で出来ること(専門家が行うもの)
- ○フッ素の歯面塗布
- 歯科医院で定期的にフッ素を歯の表面に塗布してもらいます。乳歯の生え揃う3歳と永久歯の生える6~12歳の間に定期的に塗布するのが最も効果的です。
家庭で出来ること
- ○フッ素入り歯磨き剤の使用
- 市販品にもフッ素が添加されているものが多くなっています。歯科医院専売のものは、研磨剤の量が少なかったり、全く添加されていないのでおすすめです。
歯ブラシにつける量は通常の歯磨き剤の場合より多めに歯ブラシの毛の部分全体につけ、なるべく長時間(2~3分以上)ブラッシングして下さい。 - ○フッ素洗口
- 歯科医院で薬を処方してもらい、1日1回ブクブクうがいをします。量・使用方法などしっかり指導を受けてから行います。
フッ素を塗ると歯が黒くなるの?
フッ素の溶液を歯に塗っても歯の色は変わりません。但し、フッ素ではなく虫歯の進行を抑えるための薬を塗布すると虫歯になっている部分と反応して、歯の色が黒くなることがあります。この薬は、虫歯の治療をしにくい低年齢の(まだおとなしく診療台に座ることの出来ない)子供に使用し、処置のできる年齢まで経過を観察することがあります。
- 3. しっかり歯磨きする
- 虫歯や歯茎の病気を引き起こす元は「歯垢(プラーク)」です。これを歯の表面から取り除かないとフッ素を使用しても効果はありません。乳歯と永久歯が交換している時期は歯の高さが違っていたり、隣が抜けたままでまだ生えて来なかったりと、磨き残しができやすい時期です。
[歯の清掃のポイント]
奥歯の背の高さが低い間は、歯ブラシを斜めから入れるようにして噛み合わせの面を磨いていきます。 前の歯も歯ブラシを横にするだけでは歯にうまく当たりません。歯ブラシを縦に向けて使うと上手に磨けます。
- 4. シーラントで歯の溝を塞ぐ
- 奥歯の噛み合わせの面にはたくさんの溝があります。自然の清掃作用も悪く歯ブラシもうまく使えません。それなのに食べかすは溜まりやすく細菌も繁殖しやすいです。虫歯ができる前にシーラントでその溝を塞ぎ、細菌の繁殖を防ぎます。歯科医院で処置してもらいます。ただし、歯磨きはしっかりやらないと効果は少なくなってしまいます。
シーラントは、保険が適用されています。 - 5. 規則正しい食習慣
- 歯磨きをしたりフッ素を使用したりシーラントを行ってもプラークをどんどん増やしていては虫歯や歯茎の病気を防ぐことはできません。飲食する(糖を摂取する)ことによりプラーク中の細菌は酸を産生していきます。 幼児期に引き続いておやつはよく食べると思いますが、ダラダラ食べたり(いつでも口の中に何かが入っている)歯の表面にべったりくっつくものを食べるのはやめましょう。
寝る直前に食べたり飲んだりすることも止めるようにします。砂糖が含まれていなくても長い時間、歯の表面に食べかすが停滞するようなものは危険な食品と言えます。規則的な食生活が第一です。よく噛むことも大切です。噛む回数が増えれば唾液の分泌も良くなります。歯の表面から溶け出したカルシウムやリン等(虫歯の始まり)が唾液の働きで、再沈着(再石灰化)します。ごく初期の虫歯にとって、とても大切な働きです。子供だけでなく家族全員の食事習慣も見直してみましょう。
夏休みの自由研究のテーマにいかが?
お父さんやお母さんと一緒に歯の実験をしよう!
- ○虫歯について
- 「歯のページ」の虫歯のコーナーを、お父さんやお母さんに読んでもらおう。
- ○プラーク(しこう:歯垢)がどのくらい付いているか観察する
- プラーク(しこう:歯垢)は、歯磨きで取れますが、歯磨きをしないとどんどん溜まっていきます。どんなところにどれ位溜まってくるかを観察しましょう。プラークを染め出す液(ヨードチンキでも良い)を綿棒につけて歯の表面全体につけ、うがいします。歯磨きの前や後など、条件を決めて行うと良いでしょう。
<抜けた乳歯を使おう!>
今度乳歯が抜けたら、捨てずに置いておいて実験してみよう!
- ○歯の形を知る
- 抜けた乳歯や口の中の歯の形をスケッチする。虫歯ができているところ、できやすいところを考えてみましょう。抜けた乳歯を砥石で半分位まで削ってみると、歯の内部の構造がわかります。
- ○食べ物による歯の変化
- 炭酸飲料水や清涼飲料水により、抜けた乳歯の表面がどんな変化を受けるかを観察します。



